床矯正(予防矯正)

あごが小さく、歯が並びきらずにでこぼこに生えているなどを、抜歯をせずに、あごを横に広げてスペースを作り、歯をきちんと並べ保存する治療法。子どものほうが矯正しやすい傾向があります。
※保険診療ではありません

床矯正について

床矯正は基本的に、成長過程にある子ども向けの矯正治療法です。歯を抜かなくても治療でき、治療費用もお求めやすいことがメリットです。

早く治療して美しい歯並びに

歯並びの異常は、子供の場合、母親が気がついたり、虫歯の治療や学校などの歯科検診で見つけられます。

たとえば、
「歯の後ろにもう1本歯が?」
「歯が横向きに生えた!」
「受け口で下の歯が上の歯よりも前に出て来て、あごが前に突き出ている感じ…」


しかし、
「虫歯ではないし、痛がってもいないから」
といってなかなか歯科医をたずねることがありません。

美しい歯並びは食事をよくかんで食べる、にあり!

最近ではあごの細い、歯並びの悪い子どもたちを多く見かけますが、どうして歯並びが悪くなったのでしょうか。これには習慣が大いに影響をしているのです。

食習慣

1. 食事中の姿勢が悪い
2. 食事の間中、水分を摂り続けている(水分で食事を飲み込む)
3. 長時間だらだらと食事をしている
4. おかずがすべて小さく切ってある
5. 食材で固いものは食べない

生活習慣

1. 口をいつも開けている
2. 頬杖をいつもついている
3. 指をしゃぶっている
4. 爪をよく噛んでいる


上記の中でいくつか思い当たることはありますか。

これらの習慣を直すことが治療のはじめの一歩であり、治療法のひとつ(バイオセラピー=生物学的機能療法)でもあります。
歯の異常を治すというと、すぐ歯に装具をつけている様を想像する方が多いと思いますが、実は習慣を正すことが、まず始めなければならないことなのです。

昔は大人になってから、今は子供のうちに

床矯正は、一昔前は大人になってから、しかも、あごに入りきらない歯を抜くという方法が一般的でした。しかし、現在では、子どものうちに、しかも、まず食・生活習慣を正し、その上で装置をつけるなどする、もちろん無抜歯での治療、というのが通例です。短時間ででき、経済的にも安上がり、しかもその後、あごの成長が正しく行われると一石三鳥です。

歯並びが悪いと…

1. あごが十分に育たず、歯並びの見た目、顔の形がよくない
2. 食べ物が十分にしっかりかめない
3. 食物をきちんとかまず飲み込む状態が多くなるので、消化吸収、成長に悪影響を及ぼす
4. 食物をかむことによってその刺激が脳に届き、脳が活性化する。


あごの骨を広げるなどの床矯正は大人になってからでは時間がかかります。
子供のうちに気がついたらすぐに歯科医師に相談し、早めに矯正治療を開始しましょう。

床矯正治療法の基本は2種類

歯の矯正には、
1. 原因となっている習慣を直すもの(前出) と、
2. 装置等をつけるメカニカルな治療法 とがあります。
1.については食・生活習慣を改善してください。
2.は今までにたびたび話に出てきたあごの骨を広げる方法ですが、これにもいろいろな治療法があるのです。

あごの骨を広げる治療法の種類

あごの骨を広げるというと驚く方がいますが、人間の体は大変精巧にできているのです。特にあごは時間をかければゆっくりと動きます。口の中に装置をつけてあごの骨を広げます。

取り外し式床装置

口の中を検査してその人に合った装置を作り、はめます。食事や歯磨き、しゃべる授業の時などにははずしてもかまいません。装置には4つの方法があります。

拡大床装置

ネジがついており、最大5ミリぐらいまで広げてあごをちょうどいい大きさにします。前歯や奥歯を動かしたり、歯を並べるためのスペースを作るのに用います。

閉鎖型床装置

歯の並べるスペースができた後に、歯並びを整えるのに使う装置です。ワイヤーで歯を挟みます。

機能的床装置

あごがずれているために起こる舌をかむ癖を直すのに使います。

パナシールド

受け口の治療に使います。就寝時間のみに使用します。
装置をつけている間は歯磨きを正しく頻繁にし、虫歯になったりしないようにしましょう。

治療期間は様々

床矯正の治療期間は人それぞれ。大人と子供では大きな違いがありますし、子どもでも、年齢、症状、矯正方法によって、少しずつ異なります。
あせらずにゆっくりと、しかも受験期などにぶつかって断念してしまわない様な時期を見計らって、治療しましょう。
歯並びがきちんときれいになれば、食事を正しくかめるようになります。
おいしい食事が待っています。大いにたのしんで食べてください!